メールの送受信における1つ目の課題は、1日あたりに受信するメールの数が多い点です。メールを受信すると、まず「送り主」「メールの件名」「本文」の3点を確認する必要がありますが、この内容を確認していくだけでもかなりの時間がかかり、大きな負担になっていると考えられます。
また、メールを送信する場合には「宛先」「メールの件名」「本文」を入力し、場合によっては添付メールの用意も必要です。これらの作業を1日に何回も行うことで、負担が大きくなっている可能性があります。
お客さまや社内から届くメールには、ファイルの添付が行われているケースもあります。このファイルは、場合によっては後から使用する際に困らないように整理しておくことになります。この作業も1件1件丁寧に行っていると、想定していた以上の時間を費やすことになるでしょう。
さらに、管理しやすいようにファイル名を変更したり、決められたフォルダに保存するなど、ファイルの整理にも時間がかかっているケースも考えられます。
メールの送信作業にもさまざまな種類がありますが、「請求書などのファイルを複数の取引先に送る」「定型メールにて日報を作成して送信する」などの作業は自動化を行えます。
例えば請求書の送付では、通常は定型文によるメール本文を作成後、宛名を入力してから請求書ファイルを添付して送付という作業を繰り返しますが、数十件・数百件送る必要がある場合には宛先間違いなどが発生する可能性もあります。宛先を間違うと顧客や社内の情報が漏洩する可能性がありますが、作業の自動化を行うことでリスクを解消できるでしょう。
リマインドメールをいつも送っている場合にも、自動化により効率的に作業を進められるようになります。例として、納期や経費精算などの期日が近づいている場合のリマインドメールが挙げられます。このようなメールは、スケジューラーとの同期により自動化を実現できます。
リマインドメールは、送信する側が相手に対して「急かしてしまっている」申し訳なさを感じることが多いものですが、自動で送信できるようになれば担当者の心理的な負担を軽減できるメリットが得られます。
送信されてきたメールから、自動で必要なデータのみをCSVデータなどの形で抽出することも可能です。この時に抽出したデータをもとにExcelファイルを作成する、CSVファイルを作成した上で基幹システムとの連携を行うなどすれば、業務効率も大きくアップするでしょう。
添付ファイルに関する操作も自動化が可能です。例えば、メール送信の際に添付するファイルを圧縮したり、受信したメールに添付されていたファイルを解凍するなどの作業が対象となります。また、パスワード付きの圧縮ファイルだったとしても、パスワードを使用したファイル解凍も行えます。
毎日多くの添付ファイルのやり取りをしている場合には、この自動化を用いることによって作業の効率化を図れます。
VBAはOfficeの拡張機能ですが、この機能とOutlookを組み合わせてマクロを構築することで、作業の自動化が行えます。この機能を使用した場合には、さまざまな作業をワンアクションで行えるようになります。
例えば、「メールを転送する際の宛先をワンアクションで追加する」「ワンアクションで日報や週報の送信を行う」「スケジュール調整のメールの送信をワンアクションで行う」「添付ファイルのタイトルをもとにして、メールの件名を自動作成する」などさまざまな作業の自動化が可能です。
普段手間をかけて行っていた作業も、VBAとOutlookを組み合わせることで1つのアクションにより実行できるようになります。
Pythonはプログラミング言語のひとつですが、Gmailと組み合わせることによって自動でメールの送信を実行できるプログラムが組めます。この場合に対応できるのはシンプルな自動メールではあるものの、定期的なメール送信を行っている場合にこちらの方法を導入することで作業が効率化できるとともに、メールの送信を失念してしまうなどの人的なリスクから解放される点がメリットといえます。
このような点から、「Gmailを使っていつも決まったメールの送信を行っている」場合には、業務効率アップのためにもPythonと組み合わせて自動化を行うことを検討してみると良いでしょう。
RPAとは、人がパソコンで行っている定型作業を自動化できるツールであり、OutlookやGmailなどを使用して行っている作業も自動化の対象となります。
上記でご紹介したVBAとの違いですが、VBAはMicrosoftOffice関連のソフトで行っている業務の自動化が対象となっていることに対して、RPAはVBAで行える自動化はもちろん、異なるアプリケーション同士を使用することによって、幅広い範囲のメール業務の自動化を行えます。
例えば、「請求書や発注書を発行してメールの作成を行う」、「基幹システムから必要なデータを受け取り、そのデータをもとにして納品書等のフォーマットに変えてPDFで出力する」、「基幹システムのデータをメール送信する」など、非常に幅広い作業を自動化することができます。
また、RPAはプログラミングなどの知識がなかったとしても、直感で定型的な作業をロボットに自動化させることができます。さまざまな業務の自動化を行えることから、ビジネスで利用したい場合におすすめといえるでしょう。
メール送信業務を自動化することで業務効率を飛躍的に向上させることができますが、同時にいくつかのリスクと課題も伴います。ここでは、代表的なリスクとその対策について解説します。
自動化システムが正確に機能していても、誤った宛先にメールが送信される可能性が全くないわけではありません。特に顧客や取引先に重要な情報や添付ファイルを送信する際、宛先や内容の誤りは情報漏えいという深刻な問題を引き起こす可能性があります。
このリスクに対処するためには、まずシステムの導入後に徹底した動作テストを行うことが必要です。さらに、定期的なメンテナンスを実施し、システムに問題がないかを確認しましょう。また、重要な情報を送信する際には、メールにパスワード保護を施したり、事前にメールの下書きを確認するプロセスを組み込むことでリスクを低減できます。
メールの自動送信システムが突然障害を起こすと、送信が滞り業務に大きな支障をきたすリスクがあります。特にシステム障害が発生した場合、一度に大量のメールを扱う業務では、大きな遅延や不備が生じる可能性が高まります。
障害が発生しても迅速に対応できる体制を整えることが重要です。サポート体制がしっかりした自動化ツールを選び、システム障害時には速やかにバックアップ作業が行えるようにしましょう。また、メール送信のバックアッププランを持ち、手動での送信を行える手順を事前に確立しておくことも対策の一つです。
自動化が進むと、システムがどのように機能しているのか理解している人が限られる「ブラックボックス化」が進むリスクがあります。これは、担当者が異動や退職した際に、誰もシステムの仕組みを把握できなくなり、問題が発生した際に対応が遅れる可能性を意味します。
このリスクを防ぐためには、システムの運用マニュアルをしっかりと作成し、関係者に共有することが重要です。また、システムのメンテナンスや操作方法について定期的に情報共有を行い、複数の担当者が同じ知識を持つようにしておくことが推奨されます。
システムの自動化は、外部システムや業務フローの変更に影響を受けやすいという課題があります。例えば、使用しているメールクライアントや基幹システムの仕様変更があった場合、システムが正常に動作しなくなる可能性があります。
システム変更に迅速に対応できるよう、担当者が常に最新の技術情報にアクセスできる体制を整えましょう。また、外部のシステムや業務フローの変更を早期に察知し、必要に応じてシステムの更新や調整を行うことが不可欠です。
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企業によっては、1日に非常に数多くのメールの受信や送信を行っているケースもあります。このような場合には、メールの内容の確認や仕分け、メールの作成や宛先が間違っていないかなどの確認作業に非常に時間を取られている可能性が考えられます。
もしメールの作業を自動化できれば、業務効率が大幅に上がるとともに、メール送信に伴う担当者の負担やプレッシャーを大幅に軽減できるメリットもあります。そのため、メールに関係する業務が全体の業務を圧迫している場合には、自動化を検討してみてください。
また、自動化にあたってはプログラミング知識が不要なRPAツールがおすすめです。直感的な操作により、作業をロボット化させることが可能であることや、非常に幅広い範囲の業務を自動化できるなどの特徴があることに加え、基幹システムとの連携も行えますので、ぜひRPAツールの導入を行ってみてはいかがでしょうか。
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