日本では自動車や家電といった製造業が活発ですが、労働力不足に伴って製造業でも業務効率化が注目されるようになりました。業務を自動効率化するRPAは、そんな製造業のバックオフィス業務にも活用し、業務の効率化に繋げられると期待されています。
製造業のバックオフィス業務を代表するのが在庫管理の作業です。膨大な数と種類がある商品は常に正確な数を把握しておかなければならず、人が行う限り避けられない、ヒューマンエラーのリスクが懸念されます。作業が煩雑な反面やることは単調で機械的な反復が多いのも在庫管理の特徴。
RPAを導入すれば、在庫管理システムの情報を取得して安全在庫数や出荷予定日といった情報を担当スタッフに自動送付する仕組みを作りだし、スピーディーな在庫管理が実現できます。
離れていても今在庫がどれくらいあるのか確認できたり、在庫が少なくなるとアラートで知らせてくれる製品もあります。
受発注業務を行うにあたり、受発注システムへのアクセスやデータの確認、エクセルなどへのデータ入力、発注書作成からの仕入れ先へ送信、こうした煩雑な業務がいくつも要されます。
この作業もRPAで自動化。取引先からのメールを受信した時点で、そのメール内容と添付ファイルを自動で処理し、納期情報などをメールへ転記・スタッフへ送信できます。生産設備が故障したようなイレギュラーにも同様、RPAならではのリアルタイム監視機能で瞬時に対応します。
月末につきものの作業、数多くの取引先への請求作業は非常に煩雑で時間のかかる業務です。OCRなどを利用すれば、手書き印刷の文字もデジタル化が容易に行えますから、請求作業もRPAで対応できます。
受け取った金額データを自動で指定した経理システムへ入力・処理できる上、システムによる正確な作業ですから、ヒューマンエラーのリスクも回避できます。月末の工数が削減されることも、製造業にとって大きなメリットとなるでしょう。
製造業ならではの業務と言えますが、マーケティング担当者がweb・SNSなどを閲覧し、競合についての情報収集を行うことも重要な作業です。ただしこの作業には莫大な時間とリソースが割かれます。
webサイトから情報を抽出・分析・加工する「スクレイピング」機能を利用すれば、RPAでも情報収集業務は容易にこなせるでしょう。自動で有益な競合情報を収集できるため、担当スタッフはRPAがあらかじめ収集した情報を確認するだけで良いので、時間を大幅に短縮可能です。
製造業にRPAを導入できる場面はいくつも存在します。実際に導入すれば、以下のようなメリットが得られるでしょう。
これまで人に頼っていた多くの業務をRPAに任せることで、多くの人件費削減を期待できます。RPAが人に代わってこなせるのは、煩雑で時間のかかる作業ばかり。そのためスタッフの作業工数を大幅に減らすことにもつながり、これまで人手が足りなかった部分へ人の手を回すことも可能になるでしょう。慢性的な人手不足が課題になっている企業ほどRPAによる恩恵は大きく、残業が減って社員のストレスを軽減できる点も魅力です。
RPAを一度導入してしまえば、人力よりスピーディーな対応が可能になります。入力作業や確認作業といった単調な反復業務は、ヒューマンエラーによるミスの修正作業も要されます。RPAは素早い上に正確な作業を実施するため、ミスの確認・修正作業に割いていた時間も大きく節約できるようになるでしょう。またRPAは人と違って24時間365日、休むことなく働き続けることが可能です。この点もまた、人が行うよりも業務が素早く遂行できる理由の一つです。
RPAが代替する作業が増えれば増えるほど、製造業で働くスタッフの手が空きます。そのため人ならではの判断やセンスが要される業務では、大幅な生産性の向上が見込めるでしょう。クリエイティブな業務や対人業務といった、重要な仕事に人手を集中させられるため、より良いモノづくりを要する製造業では特にメリットが大きくなります。また、重要な仕事を任されやすくなることにより、スタッフのモチベーションも高まります。
大規模な自然災害などに備えて、製造業ではBCP対策が欠かせません。バックオフィス業務を担う人に何かがあった際には、業務の中枢がストップしてしまう可能性がありますが、RPAが業務を代行する場合にはそのリスクがありません。人が介在する部分をRPAによって減らすことで、有事の際にも業務を安定して継続させられる点が強みとなります。全国規模で工場・拠点を持つ企業ほど、RPA導入でリスクを回避するのがおすすめです。
RPAには多くのメリットや魅力がありますが、人の手を離れて業務を遂行するシステムであるため、導入後の管理体制もしっかり確認しておく必要があります。「導入して終わり」ではないため、RPAツールの導入を検討する際には、導入サポートや導入後のコンサルティングサービスが手厚いものを選ぶようにしましょう。せっかくのRPAも使いこなせなくては意味がありません。定着して現場できちんと使われていくように、フォロー体制の充実したRPAツールを見つけてください。
業務を直感的に置き換えることができる画面とシナリオ作成で、現場主体の運用をお助け。
RPAツールを導入して、自社のどの業務を自動化するのか?ワークフローの整理、RPA範囲の洗い出しから取り扱い講習まで基本料金内でコンサル担当がついて 、RPA導入の伴走をしてくれます。
豊富なトリガー機能と700項目に及ぶ自動化機能で全自動かつ複雑な処理にも対応可能。
買い切り型のツールのため、ライセンス費用が掛からず、1年以上の利用と考えると割安に。
基本使用料は無料で、技術サポートの相談時間に応じて金額が発生。マクロを組めるくらいのスキルがあれば、コストをかけずに利用可能。
データ入力、集積・分析、照合、メール、検索などの基本的なRPAに適した業務に対応。タスクスケジューラで半自動的に業務遂行も可能。